ポケモンGOのながら運転を防ぐ対策案について考察してみた

前回のエントリの続きです。

実際に車上でポケモンGOをやってみた結果と、対策案に必要なこと - papaopao's diary

 

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一晩経ったらまた別の騒動が起きました。こちらは被害者がいなくてまだましですが。

 擁護派の意見を見ていると運転手が悪い、というのはやはり自分とも共通した意見なのですが、ではどうするべきか、という点において具体的に答えてる人は少ないと思います。先のエントリにも書きましたが答えてる人の意見をまとめると「ながらスマホの厳罰化」「厳罰化や広告などによる意識啓発」「免許取得の難化」「自動運転など車側のシステム改良」あたりでしょうか。僕もそれはしたほうがいいと思います、でもポケモンGOが「運転中にやりたくなるバカの欲求を抑えるための対策」や「ポケモンGOを運転中にも安全にプレイできるような対策」をしない理由にはならないと思うのですね。

 飲酒運転を例にして見ても他に出来ることからコツコツとやってきたわけじゃないですか。ノンアルコールビールの開発も「飲みたくなるバカにならないよう欲求を抑えるための対策」ですよ。今はそういった方向からの対策が行きづまって、アルコール検知装置の実用化などを数年後に待ってる状況で歴史的にはずっと販売企業は対策を検討してきたわけです。

 携帯で考えるならハンズフリー通話だって対策の結果ですよね。うちの車はBluetoothでカーナビと繋がって電話がかかってたらハンドル付近のボタンを押すだけで運転に支障なく電話に応答出来ますよ。携帯電話での通話しながらの運転は昔は対策が行きづまっていたけども、Bluetoothで対策の道が開かれ、企業が開発を進めたということですよね。これは「そもそも運転中の通話は禁止!」という立場に思考停止しなかったからなわけで、「ポケモンGOを運転中にも安全にプレイできるような対策」をなぜ検討しないのでしょうか。

 じゃあ他のスマホアプリも危険だからそれについてはなぜ言及しないんだって今度は言うかもしれないけれど、それは行き詰まってるからですよ。僕には上に挙げた厳罰化などの方法や、スマホアプリを全面禁止するような乱暴な規制以外に方法は浮かびません。比べてポケモンGOはまだver0.43.4の発展途上だし、ジャンルとしての位置ゲーも発展途上じゃないですか、対策の余地は本当にないのですかね、GPSのついたゲームだからこそ出来る対策あるだろうし、そういう思いでこのエントリで例を書きました。その上でそれを超える対策を取ってくれるだろうとNianticに期待してます。

 圧力が不当であろうとなんであろうとNianticが「世間様」の圧力に応えなければいけない流れはおそらく避けられないでしょう。ただ、僕はここでNianticの採る基準は今後の位置ゲーム全般やマップアプリ全般の基準になりうる強い影響力を持つと思っています。それはポケモンGO一アプリだけの一時的な対策というよりはある種包括的な対策と十分言っていいものでしょう。どうせ、避けられないのならば効果的な対策を採用するべきだし、それはユーザーにとって損のない対策であるべきと思います。

 

 

具体的にNianticが取りうる対策を6、7つ考えたのでそれぞれ考察したいと思います。 

対策として目指すのは

  • バカでもよそ見運転を誘発しない
  • バカでも片手運転を誘発しない
  • 適正なプレイ環境におけるゲーム性やユーザビリティーを損ねない

以上の三点です。

これは先のエントリでも書いた通り下記の道路交通法第71条五の五に違反しないことを目指しています。

 自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百二十条第一項第十一号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第十六号 若しくは第十七号 又は第四十四条第十一号 に規定する装置であるものを除く。第百二十条第一項第十一号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。 

 

まず、対策案は大きく4つに分類できます。他にもあるかもしれませんが今の所思いつきません。

 

 A群.プレーヤーが運転中、ないしそれに近い状況だと何らかの手段によってアプリ側で判断し、その状況でのアプリの操作を制限する。

 B群.全ユーザ共通で設定を変え、ゲームする際に手で操作する作業をなくす。

 C群.全ユーザ共通で設定を変え、運転中に操作するには困難な操作を必要にさせる。

 D群.運転中専用の遊び方と報酬系を確保し、運転者を自己申告するよう誘導させる。報酬系を得るには操作する必要がない。

 

AとCは運転中のプレイを制限させる方向になります。もしこの案を進めるとしたら、その制限に一般プレイヤー巻き込まれかねないという懸念があります。そういった副次的被害を最小限にすることが何より求められるでしょう。

 

BとDは運転中にもプレイできるが運転を阻害させない方向の対策になります。このときは「ポケモンGOは車でも安全に出来るゲーム」と呼べるでしょう。しかしその場合「ポケモンGOはそもそも歩くゲームと」という前提が崩れかねません。対策として孵化やジム以外にも歩いた場合だけ出来るゲーム性を増やさなければいけないでしょう。

 

では具体的な対策がありうるか例を挙げて考えてみます。

A群=規制的措置

A群はいわゆる規制的措置です。

A群全体の問題として、運転中であるというアプリ側の判断が不完全で漏れがありうるということが挙げられるでしょう。漏れがあるかもしれない、と期待してスマホを確認すること自体が危険であるため、バカがそうすることを防ぐ目的の場合、基準をよほど厳格化しないといけません。しかしそうするとトレードオフで一般ユーザーへの影響が大きくなるのは間違いなさそうです。 

 例1:速度制限

現状行われている対策です。

現在の設定では、平均時速40kmを超えたとするとするまでポケモンが出現しなくなります。速度が下がったり、数秒停止したりするとまた出現します。40km/h未満でも段階的なペナルティーはあるようです。しかし、昨日のエントリでも書いた通り僕には特に支障なくプレイ出来たように感じました。

愛知の事故もこの対策がなされた後に発生したので、この規制速度をさらに引き下げるか、出現しなくなってからの復帰時間を引き延ばす、ということになります。

規制速度を引き下げる場合には3つの点で筋が悪いでしょう。

1つは車が低速度だろうがよそ見運転は危険ということです。2つ目は一時停止が多かったり速度制限が厳しい道路ほど住宅街や通学路など気をつけないといけない道だからです。

3つ目は安全に遊んでいるユーザーの利便性が下がる点です。下記のFrobesの記事はそういった反応の表れと言えるでしょう。

ポケモンGOのユーザー離れ加速? 時速40キロで使用不能に | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)

また、船やコミュニティバスに乗りながらのポケモンGOを推奨している町おこしもあるようなので、それらの活動にも影響が出そうです。

 

復帰時間を引き延ばす場合はどうでしょう。

これも低速度でのながらプレイを防ぐには不十分のように思えます。それに現在の仕様でもポケモンGOを立ち上げたときなどにGPSのブレで高速移動したと疑われる状況です。復帰時間が伸ばされたら立ち上げるたびに長時間待たされ、まともにプレイできないという感想が出てきそうです。

例2:道路上にいるとき操作制限

当たり前ですが、運転は基本的に道路で行います。現在地が道路上だったときに操作できなければ運転中にも操作できない、ということになります。

幸いにもポケモンGOのマップでは道をエリアとして認識しているようなので道上での操作制限をかけることは技術的に可能に思えます。

ポケモンGOの車の事故を減らすのに根本的な解決を求めるのであればこれ以上の案はないと思います。

問題点としてはまず車道沿いの歩道にいるユーザーも巻き添えを食らうことであろうことです。この対策としては、道上に侵入してから制限がかかるまでに時間的、もしくは距離的猶予を設ける必要があるでしょう。もし歩行者が制限がかかったら道以外の場所に移動して数秒待てば復帰できるような形が考えられます。これがユーザーにどの程度不便を強いることになるのかはよくわかりません。侵入禁止の土地に入って復帰しようとするトラブルの発生もありうるかもしれませんし、地域によってはほぼプレイ出来ないということになるかもしれません。なんとなく自転車は厳しそうです。

ポケモンGOのマップが車道と歩道を区別していないので公園内の歩道などが制限にかかることも問題と言えるでしょう。これらの歩道に制限がかからないようにする処理は少し手間と時間がかかるように思えます。

当然ながら助手席やバスに乗りながらのプレイは出来なくなります。

ポケモンGO以外の位置ゲーやマップナビアプリを作る際に道路上での使用を禁止する場合は検討しうる案だと思います。極端な話、運転中に禁止させたいアプリに対してGPS機能を加えこの制限で網かけすれば、それでスマホのながら運転は全て解決しうるように思えます。実際にするべきか、はまた別の話になるでしょうが、とりあえず技術的に可能かどうか知りたいところです。

例3:速度以外の逃走ペナルティの追加

先のエントリに書いた通り3日に助手席で実際にプレイしてみてほぼ問題なくプレイ出来たのですが、事前に調べていた情報との違いで一番腑に落ちなかったのがこれです。

速度ペナルティは、時速10km以上の早さで移動すると課される可能性があり、主に電車や車等で移動することで対象になるようです。

【ポケモンGO】すぐ逃げるのはなんで?速度ペナルティとの関連性について|ゲームエイト

いやいやペナルティなんて感じなかったですよ、ロコンくらいなら一発で捕まえたし。このペナルティは多分ヘビーユーザーには有意にあるのでしょうが。たまに起動させるくらいの自分にはさっぱり実感できませんでした。

不思議なのはなぜポケモンのいた位置から離れた時に距離ペナルティがないのかです。

【ポケモンGOQ&A】逃げられる可能性について[No82852]

そもそも歩きスマホも禁止なわけですから、サーチ画面でタッチして安全な場所に移動してから捕獲し直すという状況を想定しても、サーチ半径40mとして多めに見積もってもポケモンから50m以上離れることはないわけで、それ以上離れたらその瞬間ペナルティで逃げていっても通常のプレイヤーには問題なさそうに思えます。

これを実装するだけで、赤信号でポケモンをタッチして捕獲画面に確保、運転しながらボールを投げるという状況をかなり困難になり、ながら運転にディスインセンティブを与えられます。

こちらも助手席やバスに乗りながらのプレイは出来なくなります。どうもアプリ側で制限によるを取ろうとするとどうしても助手席やバスでのプレイは巻き添えを避けづらいようです。

B群=操作の易化

言い換えるとハンズフリーにするということになります。

触ったことはありませんが、ポケモンGOPlusがこれに近い気と思います。

じゃあポケモンGOを買えば解決、とおっしゃるかもしれませんが、ポケモンGOPlusは自動車自転車の運転中の使用は公式に禁止されています。

「Pokémon GO Plus」サポートサイト

運転中のポケモンGOPlusが法的に問題性があるかはよくわかりませんが、一瞬でも手を離さないといけないようなので車では使わないというのはおそらく正しい判断なのでしょう。

例4:回収時の操作の完全不要化

全く画面を見たり触れたりしなければ法的に問題ないというわけなので、極端な話、徒歩プレイヤーも含め全ユーザーが近づくだけでポケストップやポケモンを自動で回収できたなら、ポケモンGOに運転中の事故を誘発する要因はない、ということになります。それが楽しいか、というとよくわかりません。ポケストップの回収はともかく、運転中にポケモンを無操作で捕まえられるとなると車が有利になりすぎるためゲーム性が壊れるという意見は出るでしょう。運転ついでのポケモンを危険でなくすことで、ポケモンのために運転をする人は必ず増えるはずですから。

無操作で回収となると機能としてはポケモンGOPlusの上位互換となるので購入者から不満も出ると思われます。ポケストップだけとかならともかくこれが単純に採用されることは難しそうです。でもポケストップだけでもなんとかならないかなと思っています、あれクルクル回すの全然面白くないんだよなぁ。

例5:音声対応

ハンズフリーならば運転中に通話するのもSiriをするのも法的に問題ありません。よってポケモンGOも音声対応で操作できたなら運転中にやろうと法的には問題ないでしょう。音声対応に設定すると画面が真っ暗になり、ポケモンに近づくと鳴き声がするというような設定にすれば画面を注視をされることもなく、運転への支障は最低限になりそうです。運転手も手で操作するより声で操作したほうが楽なはずなのでわざわざ手で操作することは選ばないはず。複雑な操作は必要としないので発音などの精度も必要ありません、極端な話カーラジオの適当な音声に反応してボールを投げてくれても安全性という意味では十分なわけです。この対策だと徒歩のポケモンGOPlusユーザーにも声に出さなくても回収できて恥ずかしくないという長所が残るので許されるように思います。とはいえ、やりすぎると徒歩ユーザーから車有利というゲーム性の批判が生まれるのは避けられない所でしょう。

問題は、遊びながら運転しているというのは例え法的に問題なくても世間からのイメージは決して良くなさそうです。ごく簡単な返事で反応するようにしても運転中にアプリに応答する形で声を出すというのは注意散漫な影響を与える、というのも否定は難しそうです。

自動車運転中のSiriの操作はGoogle Nowより注意散漫に - 調査結果 - iPhone Mania

ただ、いくらこれを批判しようとしても現在の道交法上許されている、と言う点は間違い無く、変えるなら他のSiriなどの仕様も変える必要があります。

それにこの場合は他のスマホアプリより安全だ、という弁解ができる点も強みだと思います。

C群=操作の困難化

運転しながらツムツムする奴はさすがにいないということで困難にすれば、、、あれ?いないよな?一応検索してみよう、、、

anond.hatelabo.jp

( ゚д゚)

ポケストップやポケモン回収をingressでいうところのグリフハックレベルにするとバカの総数は減ると思いますが大バカはより危険になることでしょう。別の困難さを考えましょう。

例6:ポケストップ及びポケモンが探索範囲に入ってから有効になるまで準備時間を設ける

速度規制に近い対策です。

例えば、ポケモン発見→すぐにタッチしても反応なし→15秒前後探索円に入れ続ける→ポケモンが光る→タッチすると捕獲画面に、というような挙動をさせます。

ポケモンなどが探索範囲に入って発見されてもそれが有効になるまでに時間がかかるようであれば、その間にポケモンを通り過ぎてしまうので、運転中にポケモン画面を見る意味が限りなく無くなります。サーチ半径が半径40mとすると時速36kmなら最大でも8秒くらいで通り過ぎるので12秒から18秒くらいに設定すればいいのでしょうか。

その間は徒歩プレイヤーは我慢が強要されて暇なのでグリフハックのようなミニゲームを用意するのはどうでしょう。

【Ingressの遊び方】グリフハック - YouTube

例えばマップ上に現れたポケモンをナデナデしていればゲットした時に飴がよりたくさん貰えるとか個体値が強くなるというようなミニゲームを加えれば不満も抑えられると思います。

この対策の問題としては、それでも不満があるユーザーはいるかもしれない、と言う点と、低速運転や赤信号中*1の操作をどこまで防げるのか、と言う点です。ユーザーの不満については運営にうまく調整してもらうしかない気がします。

D群=運転時専用の遊び方と報酬系を用意し、誘導する

完全に自分の思いつきと妄想なので説明が難しいのですが、似たようなゲームデザインのゲームはきっとあると思うのですよね。

発想としてはお互いにルールの違う車と徒歩とで一緒の体育館で遊ばせようとするから混乱するのであって、車で遊ぶなら校庭に避難させようと言う発想です。

例7として例えば次のような機能になります。
  1. 対象は車や電車に乗って中長距離移動するプレイヤー
  2. 移動前に開始ボタンを押してから移動後に終了ボタンを押すまで他の操作は一切必要ない
  3. その間に移動した距離によってアイテムが貰える
  4. 合計が同じ距離でも短い距離で分けて移動するよりも長い距離を1回で移動した方が貰えるアイテムが良質である
  5. 他のアプリを起動している間は距離はカウントしない
  6. 貰えるアイテムにポケモンは原則含まれない
  7. 日本では時速100キロ以上はカウントしない

3までがゲームの基本構造です、別に運転手に限らず、同乗者や通勤通学の人がプレイしてもいいでしょう。貰えるアイテムは通常プレイで手に入るポケモンやアイテムとは競合しない方がいいでしょう。現状あるアイテムなら不足しがちなほしのすながたくさん貰えるとかポケコインのアイテムとか、新アイテムとか、可能ならポケモンアバターの着せ替えアイテムとか。4は運転中にポケストップがあるたびにせせこましくオンオフを繰り返すのを防ぐためです。一度運転を始めたら操作のインセンティブは限りなく0にしたいところです。5は他のアプリのながらスマホを防ぐため。ポケモンGOを遊んでいる方が安全だ、と言えれば世間の印象もいいはずでしょう。6「そらをとぶ」モードがゲームの本質的な遊びではないという意味を示すため。7は別にどうでもいいです。飛行機と新幹線が有利過ぎる気がしたのでどこかで制限はかけた方がいいかな、と。あと飛行機のオフはマナーとして徹底させたいところです。

この案のいいところは徒歩プレイヤーに影響をほとんど与えないので、対策による不満少ないであろうことです。

悪いところはこちらで取れるアイテムが余ってくる状況ではまた運転しながらプレイしようとする人が出てもおかしくないことです。

 

僕に思いついたスマホアプリでの対策方法は以上になります、速度規制はどうも筋が悪いように思えるのでそれ以外の6つでしょうか。単純にこれらから一つ選択するというよりは組み合わせて使うのが良さそうです。

 

次回のエントリではその辺の話と、アプリ側で対策を取るのではなく車側で対策を取ることなどについて検討して一旦この話を締めたいと思います。

長くなったので今回はここまでとします。考察に考え違いがありそうだったら指摘していただければありがたいです。

*1:赤信号中のスマホ操作はググってみても法的に問題ないと言う意見と実際に切符に切られたという証言が散見されるので正確なところはわかりませんが